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伊藤彦造展 ~美剣士の血とエロティシズム~

25/9/20(土)~25/12/21(日)

弥生美術館

伊藤彦造(1904-2004)は、大正末期にデビューし、昭和40年代まで活躍した挿絵画家(さしえがか)。彼は、剣戟シーンの殺気や、美剣士の魅力をペン画によって濃密に描きあらわし、人気を博した。
人間の心には、「死」を恐れると同時に魅かれもする「希死欲求」という不思議な心性が存在する。「死」に美しさを見いだし、性的な陶酔を重ね合わせる心性が存在するのだ。彦造描く少年や青年の、死に面した極限状況、傷ついた美しい肉体は、人間の心にある、そのような死への渇望を目覚めさせる悪魔的な魅力を伴い、怖い美しさを秘めている。
血にまつわる彦造のエピソードとして最も衝撃的なのは、昭和7年、神武天皇の立像を描くにあたって、絵具の代わりに自らの血を用いたことだろう。血の匂いを描いた画家といえば浮世絵師の月岡芳年を思い出すが、彦造の作風には、芳年の影響が感じられる。芳年の「無残絵」と呼ばれる血まみれの作品の数々……あの血の匂いが、彦造の体質の中にある「希死欲求」的なものと呼応したのではないだろうか?
その彦造はまた、後世の漫画家にも多大な影響を与えた。彦造のペン画の超絶技巧を賛美し、美剣士の妖しい魅力に惹かれたと語る漫画家は多くいる。
つまり彼は、浮世絵と、現代の漫画やアニメを中継する存在でもあるのだ。幕末のクールジャパン・浮世絵と、現代のクールジャパン・漫画やアニメは、一見異質に見えるが実はつながりのあるもので、その両者の結び目には、大正から昭和初期に活躍した挿絵画家たちが存在する。中でも伊藤彦造の存在は大きいと言えるだろう。この度の展示は、その点を意識しながらご覧いただきたい。

開催情報

ジャンル
美術館

10:00〜17:00
月曜日(ただし10月13日、11月3日、11月24日開館)、10月14日、11月4日、11月25日(火)休館

※入館は閉館の30分前まで

料金

一般1200円
大・高生1000円
中・小生500円

※竹久夢二美術館と併せてご覧いただけます。
※同館でのお支払いは、現金のみとなります

出品作家

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