【特別展】 LOVE いとおしい…っ! ―鏑木清方の恋もよう、奥村土牛のどうぶつ愛―
25/12/6(土)~26/2/15(日)
山種美術館
私たちの身の回りには、さまざまな愛の形がある。恋人同士の燃え上がるような愛、親子や夫婦など家族への愛、生まれ育った故郷への愛、身近な動物への慈しみの愛。また、最近よく耳にする「推し活」も、一つの愛の形といえるだろう。この冬、山種美術館ではLOVEをテーマにした日本の近代・現代絵画を中心に取り上げ、ご紹介する特別展を開催する。
芸術のモティーフになった愛といえば、一番に思い浮かぶのが恋愛だ。鏑木清方は近松門左衛門作の浄瑠璃本『冥土の飛脚』に取材し、名品《薄雪》(福富太郎コレクション資料室)で、悲恋の物語を格調高く表した。また、家族愛の視点では、愛娘の初節句を祝い描かれた速水御舟《桃花》をはじめ、親子の愛情にあふれる優品が注目される。
郷土愛の感じられる作品では、川﨑小虎が故郷を夢見る子どもの姿を《ふるさとの夢》に表した。さらに、「目が楽しいから生きものを描くのが好き」と述べた奥村土牛の《兎》など、画家ならではの動物愛が表現された作品も数多く紹介する。
冬はクリスマスやお正月、バレンタインデーなどで、親しい人、大切な存在に接する機会もあることだろう。一年で最も愛が身近となるこの季節に、画家たちが多彩に描いたLOVEの名品を楽しんでほしい。

