岡田謙三 パリ・目黒・ニューヨーク
26/2/21(土)~26/5/10(日)
目黒区美術館
1920年代のパリと1950年代以降のニューヨーク、この二つの都市で創作活動をし、さらに1935年には目黒区自由 が丘にアトリエを構えて活動した画家・岡田謙三(1902-1982)。その作風はこれらの都市での経験に影響を受けながら形作られていった。
岡田は、東京美術学校(現 東京藝術大学)入学から約2年後の1924年にパリへ渡る。第一次世界大戦終結により、世界各国から芸術家が集い、活気に満ちたパリでの日々は、若き日の岡田にとって全てが新しく、視野の広がる経験となった。モンパルナスのカフェなどに集まって議論していた芸術家たちの仲間に加わり、後に確立する抽象的な作風の基礎となる考え方にも触れ、さながら「心の訓練のようだった」と振り返っている。
1927年の帰国後は、戦前から戦後にかけての時代のうねりの中で、これまで培ってきた技巧や様式から離れ、新たに実験の日々を積み重ねていく。戦後早々に見据えていた渡米を1950 年に実現させると、ニューヨークでは抽象表現主義の画家と交流を持ちながら、やがて、淡い色面を組み合わせる独自の作風を確立させた。自身の根源的な感性への回帰の中に築き上げた静謐で力強い表現は、パリとニューヨーク、そして目黒のアトリエでの模索の日々を抜きに語ることはできないだろう。 本展は、岡田の画風の変遷を三つの都市での経験からたどる。

