スイス絵画の異才 カール・ヴァルザー 世紀末の昏き残照
26/4/18(土)~26/6/21(日)
東京ステーションギャラリー
20世紀前半のスイスで活躍した異才カール・ヴァルザー(1877–1943)は、ベルン近郊のビールに生まれた。1歳下の弟ローベルトは作家になり、のちにその著作にカールが挿絵を描いている。20代でベルリンに出たヴァルザーは、革新的な表現を目指したベルリン分離派に加わり、象徴主義的な絵画作品をいくつも残している。そこはかとない昏(くら)さと精妙な色彩をあわせもつその作品群は、謎めいた神秘性を湛え、見る者を惹きつけてやまない。
カール・ヴァルザーの生涯で特筆すべきことは、彼が日本を訪れて制作をしていたことだろう。1908年にドイツの小説家ベルンハルト・ケラーマンとともに来日したヴァルザーは、東京や宮津(京都府)などに滞在して、熱心に日本の風景や風俗を描いた。これらの作品は当時の様子を伝える貴重な資料であると同時に、美術的にも非常に優れた見応えのあるものばかりだ。その多くは水彩で描かれているが、これまでほとんど公開されてこなかったために、驚くほど鮮やかで美しい色彩を残している。本展は、これらの仕事に加えて、挿絵や舞台美術、壁画でも活躍したヴァルザーの全貌を伝える画期的な試みだ。全作品約150点が日本初公開となる。

