路上、お邪魔ですか?
26/9/19(土)~26/11/23(月)
渋谷区立松濤美術館
かつて日本には、公界(くがい)と呼ばれる一定の制度や権力の及ばない自由な空間が存在していた。寺社の門前や宿場町に見られた領域は、移動する人々や芸能を受け入れ、文化や交流を育む装置でもあった。
現代における「路上」は、そうした歴史的空間と完全に重なる訳ではないが、所有や統治の枠組みが曖昧で、ときに制度へのレジスタンスによって、路上に自由を見出そうとしてきた。一方で路上は、単に自由や解放の象徴だけではない。排除の論理によって居心地の悪さや不安定さも抱えている。本展では、路上をキーワードに紹介可能な作品や歴史的なできごと、さらには言説をふくめ、現代においてますます複雑になる公共性がもつ課題を考える。
本展の開催は、1986年に発足した「路上観察学会」の創設40周年も契機としている。赤瀬川原平や藤森照信らによって結成された路上観察学会は、意図をもって生み出された芸術作品ではなく、都市と自然とが意図せず生み出した状況を、可笑しみをもって取り上げる「目」を、メディアを通して共有した活動だ。そこには路上がもつ豊かさを伝えるとともに、開発によって均質化した都市への批判も込められていた。
「彼女が邪魔だった」― これは、2020年に渋谷で起きた路上生活者殺害事件で、加害者が発した言葉だ。路上は、所有が曖昧であるがゆえに公序が強調され、時に他者の主観的ルールが衝突する息苦しさを孕んだ空間でもある。2020年の事件は、公共性の意味を取り違えたときに起こりうる取り返しのつかない暴力を私たちに突きつけた。
それでも、この「自由」と「邪魔」が共存する路上においてこそ、批評的な文化実践が数多く立ち上がってきたのだ。本展は、現代美術から歴史的資料、公園の遊具や銭湯、大道芸までをも紹介しながら、路上は誰のものか?をキーワードに、過去の実践から現代の都市に対する批評的なアプローチまでをたどりながら路上の公共性を探る。批評とユーモアの喧騒に溢れた、路上芸術に出会いにいってほしい。
出展作家
路上観察学会(赤瀬川原平、藤森照信、林 丈二、南 伸坊、松田哲夫、杉浦日向子、一木 努、荒俣 宏、飯村昭彦)、鈴木康広、ギリヤーク尼ヶ崎、Chim↑Pom from Smappa!Group、山田脩二、迫川尚子、児玉房子、ダニエル・エヴェレット、銭湯山車巡行部、GROUP
開催情報
- ジャンル
- 美術館
10:00~18:00
月曜日日(9月21日、10月12日、11月23日は開館)、9月24日(木)、10月13日(火)、11月4日(水)休館
※毎週金曜日は20:00まで
※入館は閉館の30分前まで
料金
一般1,000円(800円)
大学生800円(640円)
高校生・60歳以上500円(400円)
小中学生100円(80円)
※( )内は団体10名以上及び渋谷区民の入館料
※土・日曜日及び祝・休日は小中学生無料
※毎週金曜日は渋谷区民無料
※障がい者及び付き添いの方1名は無料
※リピーター割引あり。観覧日翌日以降の本展会期中、有料の入館券の半券と引き換えに、通常料金から2割引で入館可能。 1枚の入館券につき、1回まで有効。

