土田ヒロミ 写真展 「自閉空間」

1971年に太陽賞を受賞し、土田ヒロミの写真界への華々しいデビューを飾った処女作「自閉空間」は、同時期に銀座ニコンサロンにおいて展示されたものの、同タイトルの写真集が制作されることはなかった。その後「俗神」や「砂をかぞえる」「ヒロシマ」など次々と代表作となる作品を発表し、土田は写真家として大成していったが、デビュー作である「自閉空間」はその後ほとんど人の目に触れることはなく、知る人ぞ知る作品となった。本展覧会は、この記念すべき処女作を土田が当時撮影したネガから再編集し、今回新たに写真集として生み出した『自閉空間』(禪フォトギャラリー刊)より、選りすぐりのモノクロームプリント約18点を展示する。若き土田のエネルギー迸る渾身の作品群が約半世紀もの時を経て再びよみがえる。