江戸の悪 PARTⅡ
18/6/2(土)~18/7/29(日)
太田記念美術館
人は何故「悪」に惹きつけられるのか。ドラマや映画、小説などで、悪役は時に主人公を凌ぐほどの魅力をはなつことは少なくない。そして江戸を生きた人々も、すでにこの「悪」の持つ底知れぬ魅力に気づいていたようである。例えば世間を騒がせた大盗賊が市中引き回しになると、その姿を一目見ようと街道は群衆で埋め尽くされたという。また、元禄赤穂事件などの大事件はすぐに芝居にも移され、吉良上野介は稀代の悪人としてのイメージを定着させ、幕末には、盗賊が登場する「白浪物」の芝居が流行し、盗賊や小悪党が人気を呼ぶ。当時の人たちは現実、虚構を問わず、「悪」の持つ魅力に好奇心を抱き、時に酔いしれたのである。さまざまな悪人たちのイメージを、描かれた浮世絵から探る本展は、2015年に開催して好評を博した同名の展覧会のパワーアップ版。鼠小僧次郎吉などの盗賊、幡随院長兵衛などの侠客、悪の権力者、悪女、悪の妖術使いなど、実在した悪人から物語に登場する架空の人物まで、江戸の「悪い人」たちが、人数も倍増して、ふたたび大集合する。また今回は、東洋文庫ミュージアム、國學院大學博物館、ヴァニラ画廊、国立演芸場園芸資料展示室、銀座蔦屋書店など他分野と連携展示を行い、「悪」を広く紹介する。