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放菴、ものがたりを描く

18/4/14(土)~18/6/24(日)

小杉放菴記念日光美術館

後半生に《金太郎》や《花咲》など、見る者の心を明るくする日本画を描いたことで知られる小杉放菴(1881-1964)は、未醒と名乗った青年時代から、洋画を学ぶ傍ら、日本や中国の故事を題材とした日本画を描き、さらには漫画家や挿絵画家としても活躍するなど、まさに「ものがたり」は生涯を通して描き続けた画題の一つあった。30歳のときに、文部省美術展覧会で最高賞を受賞した未醒(放菴)は、洋画家としての将来を嘱望され、ヨーロッパに留学するが、パリで池大雅の『十便帖』の複製を見たことが契機となり、東洋的画題に開眼する。帰国後は、再興日本美術院に洋画家としてただ一人参加。院展では、中国の故事や神話を題材にした《黄初平》や《飲馬》などを出品し、新たな油彩画の境地を開いた。その後も東洋的傾向を強め、中国の「ものがたり」を題材とした日本画を精力的に制作する。しかし、終戦後は、金太郎や花咲爺などの日本のおとぎ話の登場人物や、良寛や松尾芭蕉、大伴旅人などの実在した人物を描いた、いわゆる「日本的道釈人物画」へと画題が変化していく。その理由としては、おとぎ話の登場人物や、日本の古きよき時代に活躍した人物を描くことによって、敗戦後の日本を明るくしようという放菴の「使命感」があったためと考えられる。このように、生涯を通して描かれた「ものがたり」の作品は、画家の人生と密接に関わった特別な作品群と言える。そこで、本展では、放菴が青年時代から晩年にかけて描いた中国や日本の「ものがたり」を描いた油彩画・日本画の他、漫画や挿絵を列べ、画風の変遷を放菴自身の「物語観」の変化と共に追う。

開催情報

ジャンル
美術館

9:30〜17:00(入館は16:30まで)、月曜日休館

※5月21日に10点前後の展示替を行う

料金

一般720円、大学生510円

※高校生以下は無料

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