ひそやかな別天地-伊藤若冲《菜蟲譜》と江戸から近代の「絵の本」-
18/5/26(土)~18/7/1(日)
佐野市立吉澤記念美術館

伊藤若冲《菜蟲譜》(重要文化財)(部分) ※6/2~24 のみ展示(前半部分6/2~13、後半部分6/14~24)
伊藤若冲《菜蟲譜》は「巻物」すなわち「本」の形式をとる絵画。大阪の知人が若冲を「厚くもてなした」ことを契機に描かれた。若冲の代表作である「動植綵絵」が空間を荘厳する目的で描かれたのに対し、晩年の代表作のひとつである本作は、卓上や小さな部屋で、一人または少人数で鑑賞することを想定して描かれたプライヴェートな性格の強い作品といえる。今回の展覧会では、巻物や画帖・版本など、「本」の姿とる絵画作品を展示し、その「見る人との距離が近い」という点に注目する。右から左へ広げるに従い物語や名所が現れる「画巻/絵巻」、浮世絵師が物語を描いた躍動感あふれる「読本挿絵」(版本)、外国の珍しい動物を描いた「博物図譜」(版本)、海外の戦争の様子や地理を図解した「新聞挿絵」(版本)、江戸から近代にかけて流行した画家・文人による小品をアルバム状に仕立てた「画帖」などを展示。近年あらたに収蔵した吉澤兵左家文書の古典籍をはじめ、初公開作品も多く予定している。※伊藤若冲《菜蟲譜》は6/2~24のみ展示(前半部分6/2~13、後半部分6/14~24)