ル・コルビュジエ / チャンディガール展 –創造とコンテクスト-
18/5/26(土)~18/7/16(月)
建築倉庫ミュージアム

Takashi Homma High Court 1 2013 Lambda print © Takashi Homma Courtesy of TARO NASU
ル・コルビュジエは近代を代表する巨匠建築家として知られる。そしてその活動は、彼が提唱した「近代建築5原則」が示す通り、合理主義的な考えと技術革新を伴って発展していく世界のイメージに根ざし、一つの普遍的論理が広く世界で通用するという信念に基づくと考えられてきた。しかし、ル・コルビュジエが場所の環境や風景、また風土や文化など、計画にかかわるコンテクストに多くの注意や関心を払っていたことはあまり知られていない。特にチャンディガールをはじめとする晩年の作品群では、こうした関心が、彼の建築・都市デザインの直接的なインスピレーションの源となって、より複雑な全体の生成に寄与している。今回の展覧会ではル・コルビュジエの手によるチャンディガールでの作品群を例にとり、ヨーロッパから遠く離れたインドという異質の環境下における、ル・コルビュジエのクリエイションとその土地ならではのエレメントとの関係を考察する。展示では、貴重な建築資料や模型、建築家自身の手によるオリジナルスケッチや油彩画、リトグラフなどの美術作品に加えて、写真家ホンマタカシがチャンディガールで撮影した写真や映像作品を紹介。こうした多種にわたる展示によって、ル・コルビュジエがそこで見聞きし、感じ、考え、そして表現しようとしたものを感じ取ることができると同時に、それらを通して、ル・コルビュジエ作品に宿る、近代思想をも超えようとする精神を垣間見る機会を提供する。