安田早苗展「種をまく人」
18/9/1(土)~18/9/22(土)
eitoeiko
ナガエツルノゲイトウ 油彩 F8 2018年4月
eitoeikoでは安田早苗による個展「種をまく人」を開催する。Eitoeikoで初の個展となる本展では、外来種の移動をテーマに据えた作品を発表する。
安田早苗は美術家としてのキャリアを絵画制作からスタートしたが、90年代後半からはインスタレーションや当時隆盛しはじめたリレーショナル・アートの領域の作品を発表していく。そして美術がその持ち場である絵画や彫刻といった既存のメディアから外れていくとき、作家と鑑賞者とのあいだに生じる摩擦こそがアートの本質と捉え、作品の主体を物質の移動や伝播、 あるいは他者との共有や協働においたプロジェクトを長期的に手がけるようになる。
本展の母体となる「種をまくプロジェクト」は2001年より開始した。プロジェクトは風船につけたハーブの種を大空に拡散するところから始まる。遠方に落下した風船は、偶然に発見した者が種を育て、作家にその発芽の便りをしらせることで計画が完了する。そこには賛同の声とともに、外来種としての危険性を訴える声もあった。計画は数多の声を聞きながら改変を繰り返し2005年に終了したが、近年、ヒアリなど外来生物の問題が活発になったことを契機に、本展はこのプロジェクトを再考するとともに、外来種とは何かを植物を中心に問い直す。本展は国立環境研究所の五箇公一農学博士の講演から始まる。