荒木経惟展 「片目」
18/9/29(土)~18/12/16(日)
ラットホール・ギャラリー

荒木経惟「片目」より B&Wプリント 13 x 18 cm 2018
ラットホールキャラリーでは2018年9月29日より12月16日まで、荒木経惟「片目」展を開催。当ギャラリーで12回目の個展となる本展では、網膜中心動脈閉塞症により右目の視力を失った5年前から現在に至るまでに荒木が撮影した、1000点を超えるモノクロ写真を展示する。
35 mmモノクロフィルムにすべて縦位置で撮影された本展の写真には、女性のヌードやしおれた花、奇妙な人形や玩具のほか、街路や車窓の風景、自宅バルコニーから撮影された空や外景など、荒木のこれまでの作品においても主要なモチーフとなっていた、彼自身の日常を取り囲む私的な対象物が数多く含まれている。5年という歳月にわたって撮影されたおびただしい数の写真は、自身の身体がもたらす制限と折り合いをつけながら生を送る荒木経惟の、生涯のとある一章を親密に物語るかのように、単線的な時系列や順序を設けることなく織り交ぜられ、壁面を埋め尽くしている。
展覧会タイトル「片目」は、荒木の身体や心理の現状を示唆するにとどまらず、喪失や死と切り離すことのできない生というものへの、ときに独特なユーモアと機知を織り交ぜた鋭い現実認識、そして生を捉えることへの強い意思表明の表れでもある。