北城貴子 - Spectrum
18/10/19(金)~18/11/11(日)
アートフロントギャラリー

アートフロントギャラリーでの個展は2014年春以来3年半ぶりになるが、今回のテーマ《水面》は、北城が繰り返し描いてきたモチーフの一つである。長年、光の位相を追求してきた作家にとって、どこにでもありながら捉えどころのない水面はシンプルなだけに挑戦しがいのあるモチーフかもしれない。時間によって光の量そのものが刻一刻と移ろう中で、光が水面にあたってさらに反射し、乱反射が空間を満たしているような状態をそのまま伝えようという作家の意図が、色のプリズムに還元された、実は水面という具体的なモチーフを通して直接響いてくる。以前北城は「筆触から、見た人に皮膚感覚でその時の感じを 認めてもらうようにするのが難しい」と語っていたが、同じ水面でもその質感は様々に構築される。物質そのものも絵画として認知されるようになった今日、絵画とは何かを一貫して問い続けている作家の新たな挑戦を、画面の隅々まで響く通奏低音と共に感じ取れるような展示である。