東京国際ミニプリント・トリエンナーレ2018

版を写しとることによってつくりだされる独特で豊かな「版画」の表現世界は、各国、各地域でそれぞれ異なる歴史や技法の特色を持ちつつ、影響を与え合いながら今日に至っている。多摩美術大学では世界の版画作品の最新作を紹介するとともに、素材・技術・表現などに関する学術的なデータ収集もかねた目的で、1995年から5回にわたって東京国際ミニプリント・トリエンナーレを開催してきた。版画の特性を活かし、出品作品のサイズをミニプリントとすることで 「世界のどこからでも郵送によって、誰でも自由に参加できる」というアイデアから始まった本展は、ひとつの大学が試みた国際公募展として大きな反響を呼んでいる。第6回となる今回は、デジタル表現を受け入れ、より広く世界のアーティストから作品を募り、94ヵ国・地域から 1,927名の応募があった。技術の進歩にも促され、今や版画の概念は大きく拡張している。そのことが実感できる多数の応募作品から19点の入賞作品を含む324点を選出。ぜひ展覧会場で世界の版画の今を楽しんでほしい。