矢崎千代二展 絵の旅
18/11/17(土)~18/12/24(月)
横須賀美術館

矢崎千代二《残照、インド・ダージリン》1920年頃、パステル、個人蔵
世界各地を旅しながらパステルによる鮮やかな風景画を多く残した、横須賀出身の画家矢崎千代二(1872-1947)の作品を紹介。
現在の横須賀市汐入に生まれた矢崎千代二は、早くから洋画を学び、東京美術学牧で黒田清輝に師事、当時最先端だった外光派の画風を身につけた。明治36(1903)年の内国勧業博覧会に出品した《教鵡》(きょうむ)で3等賞を受賞、その後万国博覧会事務局員として渡米、さらにヨーロッパを巡遊する。帰国後は白馬会展や官展に出品を重ねた。
大正期にはそれまでの油彩から、持ち運びや速写性、発色に優れたパステル画へと転向、国内外のさまざまな場所を訪れて制作するようになる。昭和2(1927)年には日本パステル画会の創設に参加し、パステルの普及、後進の指導につとめた。
横須賀市では、昭和62年に回顧展を開催。横須賀市美術館開館後は、所蔵品展の特集展示として平成22年度に「矢崎千代二の人物と風景」、平成23年度には矢崎作品を主とした「パステルと水彩による風景画-木下コレクション」を行ってきた。今回の回顧展では、こうした蓄積に、近年の新たな研究動向を加えて、地域ゆかりの画家についての情報集約と発信をはかる。出品点数は約150点であり、矢崎没後の回顧展としては過去最大となる。