ヴェネチアン・グラスが語る聖書の世界
18/12/1(土)~18/12/25(火)
箱根ガラスの森美術館
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磔刑図 18世紀 ヴェネチア
ヨーロッパ文化のあらゆる面に及んだキリスト教の影響は、ガラス工芸も例外ではなかった。ガラス工芸技術が大きく発展した古代ローマ帝国時代、特にキリスト教が国教化された4世紀頃から、ガラスにもキリスト教のモチーフが表現されるようになる。続くビザンチン帝国時代においても、ガラス製の聖水瓶や壁面モザイクが制作された。
その後、9世紀から13世紀頃までは、ヨーロッパ世界の混乱で壊れやすいガラスが贅沢品となり、ガラス製の聖杯をミサで使用する事が禁じられる。しかし、14世紀になると後に世界最大のガラス産業国となるヴェネチアで、ロザリオ用のガラス玉の製作が始まり、15世紀頃にはガラス質の顔料で絵付けをする「エナメル彩」で、聖書等の挿話場面を描くようになった。
キリスト教で最も重要な祭りが、主イエス・キリストの生誕を祝うクリスマス。本企画展ではクリスマス当日まで、イエスの生誕場面をガラス人形で再現した「プレセピオ」や磔刑図、聖書では悪の化身とされながらも、水の象徴としてヴェネチアのガラス職人が好んだドラゴンを装飾した作品等、約40点を通して、ミサの基となった「最後の晩餐」やイエスの受難といった聖書の世界を紹介する。