RADICAL OBSERVERS

現代におけるグローバル化や科学技術の進歩において、私たちは、場所や時間を超えて物事にアクセスできるようになっている。この状況において、物事の現状や変化に対して、当事者としてではなく、傍観者、観測者として接する機会が増えている。
対象に対して距離をもちながら、多様な情報を参照しつつ、解釈することで、「観測者」には新しい価値観や存在をイメージすることが可能になってきている。既存のフレームを疑い、読み替え、絶えず更新してゆく、この「観測者」としての姿勢は現代において重要ではないだろうか。
本展覧会では、状況に向き合い、様々な読み替えや、実験（思考実験）を行う菅実花、平澤勇輝、盛田渓太、Bitna JANG、Long JIN、Vincent RUIJTERSの６名の作家を紹介する。
彼らが見せる多様な表現、作品群の中に身を置くことで、本展が現代を軽やかにサヴァイヴする観測者の姿勢を提示できるきっかけとなればと思う。
また、本展覧会は、日本、オランダ、韓国、中国の出身のアーティストたちを紹介する。同時に、多摩美術大学出身のアーティスト、および他大学出身者を含むネットワークを形成しこの思考実験のマッピングをさらに拡張していくことを目指す。