山本昌男展「BONSAI 手中一滴」
19/1/16(水)~19/2/16(土)
ミヅマアートギャラリー
山本昌男《#4001》 gelatin silver print ©YAMAMOTO Masao Courtesy Mizuma Art Gallery
ミヅマアートギャラリーでは2019年1月16日より山本昌男展「BONSAI 手中一滴」を開催する。
山本はモノクロームの静謐で詩的な写真作品やインスタレーションで知られ、主に海外で作品を発表してきた。本展では2018年に発表されたばかりの「BONSAI」、そして国内では銀座 蔦屋書店のオープニ
ング企画としても展示された「Tori」などのシリーズから選ばれた作品により構成される。山本は自らの写真作品を俳句に例えることがある。それらは小さいものや些細な出来事を大切に掬い上げ、そこから丹念に光を探してきた山本にとって、最小限の要素を用いて無限の広がりを表すという点でとても良く似た表現方法だという。限られた空間上に自然や宇宙を凝縮した「盆栽」に対しても、山本が深い興味を抱いてきたのはごく自然なことであった。日本を代表する盆栽家の秋山実氏を近所に知り、山本は近年様々な盆栽と向かい合っている。
曹洞宗の開祖道元は著書『正法眼蔵』に一滴の露にも全宇宙が宿ると記した。盆栽が静かに放つ光は、これまでに山本が被写体として切り取ってきた路傍の石や木の根のように、世界の様々な要因の中で現出した流動と調和の美の痕跡。形相を伴ったイデアとも言うべき盆栽と対峙することは、人間が世界から見出し得た美的探求の軌跡との対峙でもある。