ARTとEAT 食にまつわる美術のはなし (同時開催 写真公募展2019【食】)
19/1/2(水)~19/3/17(日)
笠間日動美術館

高橋由一《鯛図》油彩、板、笠間日動美術館所蔵
高橋由一の鯛、佐竹徳のりんご、どちらも食べ物を描いた作品だが、どちらがより"おいしそう"だろうか。この二人が描いた食べ物の差は、その時代背景に由来する。由一が描いたのは単なる物質としての魚ではなく、食の文化そのものだった。一方の佐竹は、セザンヌに傾倒し、空間に存在する物質としてりんごを把握していた。また、山下りんの《機密ノ晩餐》(最後の晩餐)は、パンと葡萄酒の食卓を囲むキリストと使徒を描いた作品だが、聖書を紐解けば、このパンと葡萄酒はただの食べ物ではなく、キリストの肉体を意味することが分かる。このように本展では、「食」を描いた作品のイメージの意味を探る。
企画展示館一階では「食」や、その周縁にまつわる絵画を、二階では北大路魯山人を中心に、「食」を彩る器を展示する。