20世紀の工芸 日本×西洋 ―新しい表現を求めて―
19/4/27(土)~19/6/16(日)
川越市立美術館
明治時代、万国博覧会への出品を通して、日本独自の美意識と高い技術によって製作された工芸品が欧米から人気を集めると、政府は工芸品を重要な輸出品として捉える。殖産興業政策のもと、西洋の愛好家が好むような日本的で豪華な装飾の工芸品が生産・輸出され、日本の技術力と文化が海外へ示されていった。
大正時代に入ると、工芸製作の中に新しい動きが生まれる。創作表現として工芸品を制作する作家が登場し始めるのだ。作家たちはそれまでの過剰ともいえるような装飾を離れ、独自の表現を確立しようと試みた。そのアイディアの源泉の一つとなったのが、アール・ヌーヴォーやアール・デコなど、西洋の様々な芸術風潮だ。
本展では、東京国立近代美術館の所蔵作品から、大正・昭和の日本の工芸作品と関連する西洋のデザイン作品を展示。新しい表現を求めた工芸作家達が西洋の動向をどのように捉え、独自の表現として昇華していったのか、その過程を紹介する。
※本展は、東京国立近代美術館工芸館の所蔵品を効果的に活用し、広く市民の鑑賞機会の充実と美術の普及を図ることにより地域文化の振興に貢献する事業「東京国立近代美術館工芸館巡回展」を活用して開催するもの。