日日是アート ニューヨーク、依田家の50年展
19/6/29(土)~19/9/8(日)
三鷹市美術ギャラリー

2012年に同館で開催した「記憶のドラマ 依田洋一朗展」を発展させ、依田洋一朗(1972年-)とその両親依田寿久(1940年-)、依田順子(1943年-)の作品各20-30点を展示する。
1966年、26歳の依田寿久は横浜から2週間の船旅を終えてロサンゼルスに着いた。荷物は画材の詰まったトランクふたつ。そこで8ヶ月間働いて、本来の目的のニューヨークに向かう。ベトナム戦争反対の3万人のデモのなか、1967年の春、念願のニューヨークに到着した。
当初2年で帰る予定だったが、寿久は戻らない。追うようにして1969年、同じ武蔵野美術大学に通った順子は、寿久同様2年で帰ると両親に言い残して羽田からニューヨークに向かう。ニューヨークに着いたのは1969年1月9日、寒い雪の日だった。
それから、今年で50年。
1972年8月19日、渡米後はじめて帰国した寿久と順子は日本で洋一朗を生み、その3ヵ月後、ふたたびニューヨークに返った。
それからでも47年。両親同様画家となった洋一朗も47歳になる。
今、彼ら3人は、ニューヨークのロウアーマンハッタンにある5階建てビルの4階ワンフロアを自宅兼アトリエとして、日々制作に励んでいる。
彼らにとって日常とアートを分けるものはなんだろうか。そもそもそこに境界はあるのだろうか。彼らといわず我らといわず、さて、アートとはなにか特別なはからいごとなのだろうか。
彼ら3人の作品と生活は、そんなことを問うているようにも見える。いや、おそらくそうではなくて、そこにはただ、生活があるのだろう。日々の生活が、そこにはただあるのだろう。
三人の画家の50年を、どうぞごゆっくり体験してほしい。