絵を見るとき、 あなたは何を見ているの?
19/6/29(土)~19/8/25(日)
栃木県立美術館
私たちの暮らしにはさまざまな絵(ピクチャー)があふれている。道路標識やお店を示すアイコン。テレビやコンピューターの画面のみならず街角でも見かける動画(ムーヴィング・ピクチャー)。手元のスマートフォンで 遠く離れた場所のようすを見ることもできるし、お互いの暮らしや気持ちを絵で伝えあうこともしばしば。私たちはサインや動画をひと目見て、その意味を読み取り、毎日の暮らしに役立てているのだ。
それほどに絵があふれる中で、私たちは1枚の絵を見るために、美術館に出かけ、ときには何時間も行列に並んで絵を見る。私たちはそこに何を見るのだろう。メディアで何度も見慣れたイメージの「本物」を確認するためだろうか。何億円もの値打ちがあるという実物を見てみたいからだろうか。話題のイベントに出かけたことを「インスタ映え」する絵で伝えたいからだろうか。
もともとは一人の画家がアトリエでコツコツと描いた絵。そこにはさまざまな背景があるはず。そしてまた、その絵が今日まで伝えられてきた陰にはいろいろな物語もあるはず。この展覧会では「顔」や「情景」といったテーマを立てて、どのようにして絵は生まれてきたのか、私たちはそこに何を発見するのかを探る。目の前を通り過ぎていくたくさんの「絵」と今まで以上に豊かに接するための、楽しいレッスンだ。