〈コンポージアム2019〉フィリップ・マヌリの音楽
19/6/13(木)
東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアル
拓かれる新たな音響世界。浮かび上がるマヌリの音楽哲学。常に聴衆を魅了してきた作曲家フィリップ・マヌリの作品から、オーケストラ作品3曲をお届け!オーケストラ版が消失していたドビュッシーの《管弦楽組曲第1番》第3曲《夢》にマヌリがオーケストレーションを施したもの。続くフルート協奏曲《サッカード》は、昨年7月、エマニュエル・パユをソリストに、ロト指揮ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団で世界初演された作品。断続的に起こる急速な運動という意味のタイトルを想起させるフルート独奏を、超絶的なテクニックと読み込みの深さで現代作品に定評のある、マリオ・カローリが奏でる。後半は《響きと怒り》。マヌリと縁の深いブーレーズの生誕75年を記念しシカゴ響とクリーヴランド管が委嘱、ブーレーズの指揮により初演されたもの。100名以上の大編成オーケストラを使い、弦楽器や金管楽器を左右二群に分けるなどユニークな配置を採用、音響を縦横無尽に展開させ、オーケストラという伝統的な素材に新たな世界が拓いたような感覚を覚える。いずれも日本初演となるフィリップ・マヌリ作品個展で、この作曲家が描き出す音楽の世界を堪能ください。
ドビュッシー(マヌリ編):管弦楽組曲第1番より《夢》(1883/2011)/マヌリ:サッカード ─ フルートとオーケストラのための(2018)[東京オペラシティ文化財団、ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団、サンパウロ交響楽団、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団共同委嘱作品]/マヌリ:響きと怒り ─ オーケストラのための(1998-99/2016)[全曲日本初演]