ヒトハダ『旅芸人の記録』
24/9/5(木)~24/9/29(日)
ザ・スズナリ、扇町ミュージアムキューブ CUBE01
劇作家・演出家の鄭義信を中心に俳優・大鶴佐助を座長に迎えた劇団「ヒトハダ」の第2回公演。前回、進駐軍のコーラスグループの友情を描いたヒトハダが、今回挑戦するのは大衆演劇。人情あり・笑いあり・涙あり・歌あり・踊りありの大衆演劇エンターテインメント!
太平洋戦争まっただ中、大衆演劇の劇場、映画館は、大勢の観客で賑わっていた。劇場の外は戦火、けれど、中は笑いと涙が渦巻いていた。人々は演芸に興じることで、ひととき、暗い世相を忘れようとしたのだ。
一九四四年(昭和一九年)、関西の地方都市にある小さな大衆演劇の劇場。女剣劇を看板にする二見劇団が、十八番の「ヤクザ忠臣蔵」を上演している。
主役の藏造を演じるのは、座長の二見蝶子(梅沢昌代)。その子分を、蝶子の息子の夏生(尾上寛之)と、中堅の山本(丸山英彦)、亀蔵(櫻井章喜)が演じている。台本を書いたのは、蝶子の再婚相手、清治(浅野雅博)の連れ子である冬生(大鶴佐助)。音響係を、蝶子の娘の秋子(山村涼子)。蝶子の夫、清治は喘息持ちということで、舞台には立たず、炊事を担当している。それぞれが、一座の仕事を分担して、家族で支えていた。
ある日、夏生が役者を辞めて、川西飛行機工場で働きたいと、宣言する。清治の反対にもかかわらず、夏生は一座を離れ、一人暮らしを始める。そして、秋子も婚礼をあげ、山本も徴兵され、一座から、次々、人がいなくなってしまう。
そんな折、冬生の書いた台本が検閲に引っかかり、上演できなくなってしまい……。