いま、最高の一本に出会える

歴史に残る“クライマックス”を見逃すな!
『アベンジャーズ/エンドゲーム』特集

いよいよ全世界待望の超大作『アベンジャーズ/エンドゲーム』が公開になる。本作は、約10年続いたマーベル映画のクライマックスが描かれる本年度、いや映画史にその名を刻む一大イベントになりそうだ。そこで本特集では監督を務めたアンソニー&ジョー・ルッソ監督(以下、ルッソ兄弟)や、マーベル映画を率いるプロデューサーのケヴィン・ファイギに直撃インタビューを敢行! 彼らの熱いコメントを交えながらアベンジャーズ最後の戦いを、そして本作の注目ポイントを余すところなく紹介する!

映画史歴代ナンバー1シリーズに!
マーベル映画の歩み

世界で愛され続けるコミックのキャラクターや世界観を基に“アクション映画”という言葉では余るほどの壮大な映画を作ることはできるだろうか? ファンが心から愛することができるヒーローを描くことができるだろうか? マーベル映画が始めたプロジェクトは2008年の『アイアンマン』を皮切りに次々にヒット作を生み出し、素性も、性格も、個性も、性別も、特殊な能力の種類も異なるキャラクターを次々に登場させてきた。

そしてもし彼らが団結しなければならないほどの脅威が訪れたとしたら? そんな恐ろしくもワクワクする状況を描いたのが“アベンジャーズ”シリーズだ。観客はそれぞれのヒーローが主役の映画で彼らの考えや背景を深く知り、アベンジャーズで彼らが団結し、化学反応を起こす様を楽しむ。映画史上、誰も試みなかった未曽有のプロジェクトは圧倒的な成功をおさめ、全作品が世界興行収入のトップ10にランクイン。シリーズ累計興収が全世界で1.9兆円を突破し、映画史歴代ナンバー1のシリーズとして快進撃を続けている。

そんなマーベル映画はそれぞれの作品が他にはない個性を持ちながら、同時に“共通するテーマ”を描いてきた。「私たちが手がけたマーベル映画はすべて“登場人物をヒーローたらしめているものは一体、何なのか?”そして“ヒーローであることの代償”について描いています」とルッソ兄弟は語る。確かにアベンジャーズのメンバーはそれぞれに“なぜ戦うのか?”を自身に問いかけてきた。戦えば傷つくこともある、大事な人を失うこともある。それでも彼らは戦う。なぜ? 『エンドゲーム』はマーベル映画が10年かけて問い続けてきた“なぜ?”の答えを描く作品でもあるのだ。

最凶の敵サノスと戦いは
いよいよクライマックスへ!

しかし、今回の戦いはそう簡単に決着がつきそうにない。昨年公開になった『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』で登場した最凶の敵サノスは全生命の半分を抹殺し、宇宙にバランスをもたらさなければならないと考え、行動を開始する。そこでアベンジャーズは計画を阻止しようとするが、サノスのパワーはあまりにも強大で、彼は計画を成し遂げ、全宇宙の生命の半分が失われてしまった。

ポイントになっているのは、サノスは宇宙を“征服”しようとしているわけではないことだ。「サノスは宇宙の生命が多すぎることから問題が起こると考え、半分の生命を消してしまえば、資源を取り合って争うこともなく、そこから学び、バランスを保ち続けようとするだろうと思っているわけです。極端な考え方ですが最終的には彼は宇宙に平和をもたらそうと考えている。つまり、サノスは人々を嫌っているわけじゃないのです」とルッソ兄弟は説明する。アベンジャーズに正義があるように、サノスにも正義があるのだ。

現段階ではサノスに“死角”はなく、アベンジャーズのメンバーも半減している。しかし『インフィニティ・ウォー』では姿を見せなかったホークアイ、アントマンとマーベル最強のヒーロー、キャプテン・マーベルが新たに参戦! 彼らに“起死回生の策”はあるのだろうか?

“勝つ”ことがすべてなのか?
『…エンドゲーム』の
気になるポイント

『エンドゲーム』は絶体絶命の危機にあるアベンジャーズの逆襲(アベンジ)を描くだけでなく、マーベル映画約10年の壮大なサーガのクライマックスを描く作品だけに、単にバトルの“勝ち/負け”を追う作品にはならないだろう。「これまで公開された21作のマーベル映画にひとつの“終止符”をつけることが私たちの任務だった」というルッソ兄弟は「これまでの21作品を丁寧に見直して、そのエッセンスを『エンドゲーム』に注ぎ込んだ」と振り返る。

長年に渡って描かれてきたアイアンマンやキャプテン・アメリカ、ソーらの物語は一体、どんな結末を迎えるのか? 彼らは最後に何を選び、どのようにして自身の物語に“終止符”を打つことになるのか? 観客は熾烈なバトルやアクションだけでなく、心の奥深くに響くドラマを体験することになるだろう。ルッソ兄弟を始めとする製作陣が目指したのは、私たちを笑わせ、泣かせ、考えさせ、驚かせ、怖がらせる“重層的な映画”だ。戦い、迷い、決断、苦しみ、喜び、コミカルなやりとり、愛すべき瞬間……これまでマーベル映画に描かれてきた様々な要素のすべてが本作には詰まっている。

しかしよく考えてみれば、なぜマーベルは人気シリーズを最高の状態で終わらせようとしているのだろうか? すべてのマーベル映画をプロデュースし、スタジオを率いるケヴィン・ファイギは「すべての素晴らしい物語には“結末”が必要なのです」と力説する。「結末を描こうと決めた時、物語はそこに向かって走りだします。ある物語が終わりを迎えた時、私たちはそこで初めて “新しいはじまり”について考えることができるでしょう。ひとつの物語が終わり、新しく何かが始まる。これはとても胸躍る考えだと思います」

これまでのマーベル映画はすべて“つづく”で終わってきたが、本作で初めて“終わり”を描く。そしてその結末は“新たな希望”を感じさせるものになるという。そんなことが本当に可能なのか? 『アベンジャーズ/エンドゲーム』は史上初の、そして歴史に残るクライマックスを迎えることになりそうだ。