
Untitled, 2018 © Yutaka Aoki Photo by Keizo Kioku
青木豊展「Today's」
19/3/9(土)~19/4/13(土)
KOSAKU KANECHIKA
青木豊は、絵画の視野を広げ、世界と絵画の関係とその可能性を追究する制作活動を行っている。絵を描くということはどういうことか。絵を描くために何ができるのか。それを知るために立体を取り入れ、絵画は立体をつくるように、立体は絵画を描くように制作。またそれらを混在させて展示空間を作り上げたり、絵画の物質的側面を際立たせる作品や螺旋構造を取り入れて、目線の動きや物質と精神性について探求するなど、様々な試みをしてきた。
その青木の制作には一貫して光への眼差しがある。光は長きにわたって、絵画において取り組まれてきたテーマだが、青木は特にその立体化 – つまり光が時間軸、鑑賞者の存在、展示空間などの特定の環境の要素に補完され、有機的に立ち上がるような豊かさ – を追究している。
本展では新作のペインティング約15点を展示する。近年までは作品同士のもつ関係性への意識が強かったのに対し、今回の作品は、これまでの探求から得られた要素がすべてペインティング1点1点に集約されたようなシリーズだと青木は言う。本展は、その独立したそれぞれのペインティングが部分あるいは要素となり、展示空間で新たな展開をみせていく可能性を秘めた、作家にとって重要な転機となるような個展である。