イズ・イット・ヘヴン・イェット？

屈折光学を応用してワインを分析するという怪しげな“発明品“を持って、ワルド・ソニークロフトは大もうけしようとサンフランシスコにやって来る。だがドジで世間知らずで女に惚れやすい彼は、麻薬の密売に巻き込まれたり、高名な教授に間違えられたり、追いはぎにあったり、いつも女に振られたり、はては肝心の“発明品“も壊されたりと散々な目に遭う。だけど彼はくじけない。いつか“HEAVEN“に着くことを夢みて、今日も生きていくのだ……。Ｃ・カルダナがほとんど一人で作り上げた作品だが独特の才能で愛すべき映画に仕上げている。超低予算で、シンプルな映像ではあるが、その中にはストイックで、リリシズムあふれる笑いとペーソスが全編に流れている。どぎついドタバタやナンセンス、悪意のあるブラック・ユーモアは一切排除し、洗練されたギャグとセンスの良い演技が、見る人をほのぼのと温かくさせる不思議な魅力を持った作品だ。