青春群像

フェリーニという映像作家の秘密をさぐるとき、重要な鍵となる初期作品。北イタリアの港の見えるある小都市を舞台に、どこにでもいる５人の若者たちを描きながら、フェリーニ自身の思春期を語っている。女遊びに身をやつすファウスト、姉からいまだに小遣いをせびっているアルベルト、怠惰な生活から脱出したいモラルド、そして作家志望のレオポルド。彼らは毎日をぐうたらに過ごし、目的なしに生きている。そんなグループに嫌気が差したレオポルドは、一人ローマに向けて出発する。原題は“乳離れできないでいる仔牛”という意味で、フェリーニが育ったリミニの町ではのらくら青年たちをこう呼ぶ。