生誕100年 藤本能道―生命を描いた陶芸家
19/8/3(土)~19/12/1(日)
菊池寛実記念 智美術館
藤本能道「霜白釉釉描色絵金彩焰と蛾図扁壺」1990年頃(撮影:田中良)
2019 年は、戦後日本の陶芸界を牽引した作家のひとりである、藤本能道(1919-1992)の生誕100年にあたる。藤本は陸軍中将の祖父、大蔵省書記官の父をもつ家に生まれながら芸術の道を志し、やがて陶芸家として色絵磁器の技を極め、現代陶芸の世界に大きな足跡を残した。同館の創立者、菊池智(1923-2016)は同時代に作られる陶芸を精力的に見続け、作家との交流を楽しんだが、なかでも最も集中して集めたのが、藤本の色絵磁器の作品だった。1992年には作家の生前最後の個展が同館の立つ西久保ビル敷地内にて開催され、最晩年の一連の作品がここで発表された。こうした縁により菊池コレクションには、藤本が色絵磁器に専心する1970年代から最晩年の90年代までの、質量ともに充実した作品群が収蔵されている。本展では、色絵磁器以前の初期作品から各時期の作品を並べ、創作の深まりと、藤本の色絵表現の到達点を紹介する。