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藤村豪「誰かの主題歌を歌うときに」

20/6/6(土)~20/7/11(土)

KANA KAWANISHI GALLERY

《ポストカード(新しい手紙を書くために)》 〈読めない手紙 / 新しい手紙〉より 2020 | replicated postcard (offset print) | 148 × 100 mm © Takeshi Fujimura, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY

藤村は「他者の経験を私たちはどのように理解するのか」、そしてその分有についてを確かに実感し得るものとして、主に写真や映像で提示する作品群を一貫して制作し続けてきた。
例えば、映像作品《同じ質問を繰り返す/同じことを繰り返し思い出す(どうして離婚したの?)》(2014年より継続)では、同じ人物に「離婚した理由を教えてください」と6年間に渡り、同じ質問を投げかけ続け、その時々で本人から紡ぎだされる言葉を映し出している。質問をする度にその理由とそれを表す言葉が変化をする様子は、当事者と出来事の結びつきの流動性、その度に変更を求められる聞き手の理解といったものを、時の移ろいとともに示す。
同展『誰かの主題歌を歌うときに』は藤村が日常的に向かい合う出来事をモチーフに、写真、映像、そしてテキストを中心としたインスタレーションで構成される。
届いた時にあらかた文字が消えていたポストカード、作家自身のそれとは異なる姿をした息子の左手、身近な自然現象についての探索、友人の離婚をめぐる対話。その起点をより私的なものとしながら、様々な出来事の理解のために試みた「手探りで無遠慮」な、そして「不自然な再演」についての記録の数々が紹介されることになる。
また同展では、自動翻訳を介した深川雅文(キュレーター・クリティック)との往復書簡を、パフォーマンス作品として展覧会の会期中に完成させる。
私たちが本来的に抱える他者理解への望み、そしてそれに伴う不可能性について。「誰かの主題歌を調子はずれに歌」いながら奔走する藤村独特のアプローチを楽しめる。

開催情報

ジャンル
ギャラリー

13:00〜19:00、日曜日・月曜日・祝日休廊

料金

無料

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