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クレア・タブレ「ロックダウン・セルフポートレイツ」

20/11/19(木)~20/12/31(木)

ペロタン東京

Claire Tabouret Self-portrait at the Table, 2020. Acrylic on canvas. 100 x 81 x 2 cm. Courtesy of the artist and Perrotin.

ロサンゼルスを拠点に活動するフランス人アーテ ィスト、クレア・タブレによる新作ペインティングの個展を開催する。
同展では、ロックダウン(都市封鎖)のさなかに制作された、タブレ自身の個人的な姿を描いた新作セルフ・ポートレイトのシリーズを発表する。
日本初の個展となる同展では、一連の作品《Lockdown Self-por trait s》を通して、タブレの視線が鑑賞者ではなく内側を向いていることが示される。
タブレはこれまで、二人以上の人物らの関係性に焦点を当てた作品を数多く制作してきた 。
しかし 、昨今の世界情勢を受け、人々が集う機会が減ったことから、タブレは自分自身と鑑賞者との間のダイナミクスに焦点を当てた。
セルフ・ポートレイトは、10年ほど前からタブレの活動の重要な部分を占めているが、この非自発的な孤立感という現状を受け、必然的に自分自身を被写体とするようになった。タブレは、フィンランドの人里離れた田舎に住んでいたヘレネ・シェールフェックが、他にモデルがいないときによく描いていたという非常に個人的な自画像に影響を受け、「絵を描きたいという衝動は何があろうと常に存在しているので、自分自身を描き始めたのはとても自然なことだった」と振り返っている。
タブレの作品に登場する人物らにとって、化粧や衣装などの要素は言わば“鎧”の役割を果たすことが多く、それらを用いて鑑賞者から特定部分を隠すことで、確たる自信を示すことを可能としている。これらの 新作セルフ・ポートレイトから大胆不敵さは消滅していないものの薄れ、その“盾”はより緻密に存在している。特大のローブ、フード付きのスウェットシャツ、愛犬のジョージは、タブレと鑑賞者の間に断固として立ちはだかるのだ。また、ヴュイヤールの見事なインテリア ―
人物が室内のファブリックや模様に飲み込まれそうになっている様 ―が想起される。
タブレの新作からも、重厚感 がありながらも家庭的な暖かさと安堵感を持ち合わせた、同様の雰 囲気が感じ取れる。厚手のストライプ 柄のバスローブを描いた作品は、マティスのオダリスク絵画を連想させ、フードを被った自 画 像 は 、ズバランの僧侶の絵画や、ガタン・ガティアン・ド・クレランボーによる何 千枚もの ベール をかぶった女性の写真を連想させる。これらの覆いは、まるで子宮のようであるとともに、避難所としての役割を果たし、消えてしまいたいという作家の衝動を表現している。卓上の自画像においては 、手で顔を隠し、目を逸らすことで鑑賞者を避けている。
マネの《ラ・プルーン》に倣い、タブレは「内向きになっているこの特別なまなざしを見つけたい」という願望を呼び起こす。
タブレはこれらの ペインティングの 他にも、新作モノプリントのシリーズを発表する。タイトルが指し示す通りすべての作品がユニークだが、特にその制作プロセスの性質上、描かれたひとつひとつの絵に直前の“ 残 像 ” が含まれている。すべての作品は前作への反応であり、モチーフの 繰り返しが展覧会全体に音楽的なリズムを生み出す様を、タブレはジャズの即興演奏に例えている。これらの連続した自画像は 、ペインティングの構図を模したものでありな がら、特異な逸脱性を保っている。一 体となったペインティングとモノプリントは、鑑賞者に自身が見たものの記憶を問うよう促す。
タブレは作品の中で自身が唯一の被写体であるにもかかわらず、鑑賞者の前から引き下がっていることは明白であり、まるで完全に消えてし
まう一瞬手前のように描写されている。その表情は同じようで一様ではなく、時間の経 過とそれに伴う人間の顔の儚さを称えている。これらの作品は、制作時の時勢の不確実性を反映しており、いつ変化してもおかしくない一時的な感覚を表現している。タブレは「今ここに存在していることへの不安感があり、それが作品に反映されている」と説明している。

開催情報

ジャンル
ギャラリー

12:00~18:00
日・月休み

※予約制

料金

無料

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