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ぴあ

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特別展「 文字なき文明の名もなき名工たち―古代アンデス研究の新展開」

19/3/23(土)~19/6/30(日)

東京大学 駒場博物館

南米大陸の西海岸の諸国は、太平洋以外に隔てるもののない、日本の隣人だ。このたびペルー、コロンビア、エクアドルと我が国の、長きにわたる人的、外交的、そして学術的交流を記念して、特別展「文字なき文明の名もなき名工たち―古代アンデス研究の新展開」を開催。
かつてユーラシア大陸から北米大陸へと一握りの人類集団が渡り、その子孫が紀元前9000年ころ、南米大陸のアンデス山脈一帯に到達した。多様な資源に富んだその環境に適応した人びとは、独自の感性をもって世界観を構築。紀元前3000年頃までにエクアドルやコロンビアに広まった土器や土偶、同じころペルーに建ち並び始めた壮麗な建築群には、古代アンデスの人びとの祈りが表現されている。工芸品や神殿に体現された信仰は人びとの連帯の基層となり、アンデス文明と呼ばれる大規模で複雑な社会が、その中から形成されていったのだ。やがて16世紀にこの地に到達したヨーロッパ人は、インカ帝国や、タイロナなど周辺の諸文化の豊かさに驚嘆しつつも、武力によってそれらを征服した。人類史における敗者となってしまい、また自らの歴史を記録する文字の体系がなかったために、アンデス世界はその後長らく、西洋中心的な歴史記述の中で脇役に追いやられることとなった。
今日、アフリカ大陸とユーラシア大陸の大河流域に発祥した「四大文明」という語は、世界史教科書から消えつつある。中米や南米に発祥した文明もまたたいへん古い歴史を持ち、経済や技術が高度に発達し、世界的に見ても常に大規模な人口を擁していた、成熟した社会であったからだ。それを解き明かしてきたのは、歴史学、人類学、近年では古環境学やゲノム科学などの多様な研究分野であり、それらを結びつけるのが考古学だ。古代アンデスの考古データは例えば、文字も車輪もミルクもなしに社会は飛躍的に発展しうる、と我々に示してくれる。60年前に東京大学がペルーの考古学に着手したのが発端となり、今や日本は新大陸考古学の国際的な拠点のひとつとなって、人間とは何かという問いを発信し続けている。
本展では、日本を代表する中南米古美術コレクションである、BIZEN中南米美術館収蔵の陶芸作品を中心に、古代アンデスの造形美術の妙趣を披露する。文字なき文明であった古代アンデスの人びとは、世界史の表舞台から消えてしまい、その名こそ今に伝わっていないものの、いかに豊かな感性を持ちあわせていたのか、遺された工芸品の数々が雄弁に物語るだろう。またコトシュ遺跡やクントゥル・ワシ遺跡などにおける、日本アンデス調査団のフィールドワークの成果や、博物館に収蔵された土器をCTスキャンと再現実験によって解析し、音を鳴らす機構を組み込んだ高度な陶芸技法に迫る試みなど、古代アンデス研究の来歴と、多様な展開について紹介する。

開催情報

ジャンル
美術館

10:00〜18:00、火曜日休館(4月30日は開館)

※入館は閉館の30分前まで

料金

無料

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