岩﨑家のお雛さま
21/2/20(土)~21/3/28(日)
静嘉堂文庫美術館
3月3日は桃の節句。かわいらしい人形や小さな道具を飾り楽しむ「雛祭り」の風習は、江戸時代に広まり、現代まで連綿と続いている。
三菱第四代社長・岩﨑小彌太(1879~1945)が孝子夫人(1888~1975)のために誂えた雛人形は、京都の人形司・丸平大木人形店によるもの。内裏雛は、白くつややかで丸い顔が愛らしい幼児の姿をしている。岩﨑家の替紋である花菱文が各所にあしらわれた雛道具は精緻に作られ、段飾りに花を添えたことだろう。これら贅を尽くした岩﨑家の雛人形・雛道具は当時の技術の粋を集めた、貴重な美術工芸品といえる。
このほか、本展では、春を愛でる絵画・工芸品も合わせて展示する。日本画家・前田青邨(1885~1977)に絵の手ほどきを受けた小彌太が描いた絵画や蒐集した名品、静嘉堂の庭園で花開く梅も楽しんでほしい。そして、春爛漫の本展は、丸の内・明治生命館への展示ギャラリー移転に向けた、現在の地で開催するセカンドラスト(最後から2番目)の展覧会である。
新着エッセイ
新着クリエイター人生
水先案内