義務と演技
97/2/15(土)
映画に先行してTVドラマにもなり、評判を呼んだ人気脚本家、内館牧子の小説を映画化。東洋電器の広報課長、大倉謙次は社会的地位にも恵まれ、結婚7年目を迎えた妻、みさきとの間に娘もあって一見幸福のようだが、セックスレスに陥っており、妻との年に1回ほどの行為が義務感になっていた。一方、照明プランナーとして働く武田祥子は夫、芳彦との演技で応えるだけのセックスに疲れを感じていた。そんな二人が仕事をきっかけに出会い、いつしか結ばれてしまうが、二人の関係はみさきや芳彦の知るところとなり……。二つの家庭が崩壊の危機をむかえていく様を、男女のセックスの駆け引きを交えながら綴り、現代の夫婦像に迫る。カメラマン、仙元誠三による濃密かつお洒落な画面構成が赤裸々な物語にロマンティックなムードを与えている点も見逃せない。