
「彩磁延壽文花瓶」 昭和11年頃(c.1936)茨城県陶芸美術館蔵
近代陶芸の巨匠 板谷波山展
19/6/7(金)~19/7/15(月)
茨城県天心記念五浦美術館
近代日本陶芸の巨匠、板谷波(1872-1963)は、茨城県下館町(現・筑西市)に生まれ,東京美術学校彫刻科で岡倉天心,高村光雲らに学んだ。その後、陶磁器の最先端の技術を学び、アール・ヌーヴォー様式の意匠や新しい釉薬の研究に着手した。明治36年、東京の田端に築窯すると、故郷の筑波山に因んで波山と号し本格的に陶芸家としての活動を始める。それまでなかった〈芸術作品としての陶芸〉の創造に全身全霊を捧げた波山は、数々の公募展への出品及び受賞を重ね、昭和28年には陶芸家としては初の文化勲章を受章。波山は、伝統的な技法の洗練と新たな表現方法への挑戦により、典雅な美しさに満ちた作品の数々を生み出し、91歳で生涯を閉じるまで日本近代陶芸の嚆矢として活躍した。
本展では、波山の陶芸作品と共に東京美術学校時代の課題画を展示し、当時の授業の内容を紹介すると共に、波山の同窓で、卒業後は国宝の仏像修理保存に携わった新納忠之介と交わした書簡等により、親友との交流や当時の生活の一端も紹介する。