秋季特別展「多々納弘光の仕事―出西窯を育み、民藝に生きた陶工―」
19/9/7(土)~19/12/17(火)
大阪日本民芸館
出西窯の創業メンバーの一人であり、2017年6月29日に惜しくもこの世を去った多々納弘光。窯元の顔としてよく知られる存在だが、これまでひとりの作り手として注目されることは多くなかった。
弘光が出西窯で担っていた仕事は、主にハンドル(把手)付けと、型を使って成形する作品の製作。ハンドル付けにおいては、見た目の美しさとともに手に持った時の重量感や掴みやすさなどを重視しており、道具として使われることへの気配りを感じる。
また作陶において轆轤を用いなかったため、型物の製作には熱心に取り組んだ。非常に多くの種類の型を作り、そこから形を取った陶器には櫛描、点打、縄文、指描きといった様々な技法の装飾が施された。どの作品にも弘光の美意識が表れており、表現の幅や奥行き、愉しさを示す実例として見る者に驚きと感動を与えてくれる。
日中は出西窯の経営者としての仕事にも追われていたこともあり、工房に入るのは主に終業後、日が暮れてから。そのため作陶する姿を人に見られることは稀で、弘光は作陶には関わっていないと思っていた、という人さえいたのだそうだ。
そんな「名もなき陶工」が続けていた、喜びにあふれた仕事の数々を、どうぞご高覧いただきたい。
開催情報
- ジャンル
- 美術館
10:00〜17:00、水曜日休館
※入館は閉館の30分前まで
料金
一般700円、高大生450円、小中生100円
※20名以上は団体割引
※障がいがある方、被爆者の方、特定疾患及び小児慢性特定疾患がある方とその介助者の方(被介助者1名につき1名)は入館が無料となります。窓口で「身体障がい者手帳」「療育手帳」「精神障がい者保健福祉手帳」「被爆者手帳」「原爆手帳」「特定疾患医療受給者証」または「小児慢性特定疾患医療受給券」をご提示ください。また、ひとり親家庭世帯員の方は入館が無料となります。遺族年金等公的年金または児童扶養手当を現に受給しているひとり親家庭の方で都道府県知事等の発行した証明書をご提示ください。
出品作家
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多々納弘光