富田菜摘 スクラップ・ワールド
20/11/13(金)~21/3/14(日)
ヤマザキマザック美術館
富田菜摘(1986- 東京都出身 多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業)は国内外で活躍する立体造形作家。お菓子や飲料の缶をはじめ、壊れた楽器やゲーム機器、廃棄処分となった給食用の調理器具、工事の表示板など、ありとあらゆる廃材を集め、自由奔放な造形感覚によって組み合わせて、ユーモアあふれる動物を制作している。ティラノサウルスの「ティラ」、元気いっぱいのチンパンジー「元」、ドードー鳥の「ドド」と「ミド」など、作品には全てユニークな名前がつけられている。
また、富田は古紙を使い、サラリーマン、主婦、女子高生、高齢者など現代に生きる人間たちの姿を少々の風刺と愛情を込めて表現した人物像も制作している。人物像の表面には彼ら自身を象徴するような新聞や雑誌の記事が貼り付けられており、人間と社会に向ける暖かくも鋭い観察眼が魅力的だ。
今回、工作機械メーカーである当館の母体ヤマザキマザック株式会社の工場で出た金属廃材を提供して富田に制作を依頼した新作、カンムリヅルの「マーサ」も初公開。動物作品と人物像を合わせた70点余りの作品によって、子供から大人まで幅広い年齢層を魅了している富田の創造世界を紹介する。