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小畠廣志 木に呼ばれる

19/7/20(土)~19/9/8(日)

武蔵野市立吉祥寺美術館

小畠廣志(こばたけ・ひろし 1935-1996)は吉祥寺ゆかりの彫刻家。母の鼎子は青龍社の日本画家、父の辰之助は洋画家にしてモダンな自由人。創造性に富んだ家庭において、彫刻家・廣志の素地はつくられた。
東京藝術大学美術学部彫刻科(菊池一雄教室)に学んだ廣志は、1959年に初出品した二科展で特選を受賞。冴えた造形はその後も多方面から高く評価され、1977年には第6回平櫛田中賞に選ばれている。いっぽうで、東海大学、青山学院女子短期大学、美学校ほかで教鞭をとるなど、年若い時分から後進育成にも力を注ぐ。1980年には美学校から独立してKOBATAKE彫刻工房を開校。技術的教授にとどまらず、芸術家としての人間を育む、独自のカリキュラムを展開した。
さまざまな素材による彫塑から鋳造まで、すべてを自らの手でおこない、1980年代からはリトグラフなどの版画表現にも取り組んだ廣志だが、彼の造形の基軸は木彫にあったといえるだろう。塑造や鋳込みといった、彫りとは成立のしかたが異なる表現の存在は、彼の木彫にいっそう豊かな幅をもたせ、得がたい魅力と存在感を増すことにもつながった。
廣志の作品の多くは人間の姿をあらわしているが、それは、人間の形体美を具体化したものではない。作品を前にした者の深層へ呼びかけるための、廣志のフォルムなのだ。「材を見て、じかにその素材にフォルムを見付け、その中に時分の形体を入れていくとき、確かに木に呼ばれていく自分があることを感じます」と彼はいう。作品をつくるという行為がもつ社会的責任をつねに意識していた廣志。彼は、原木と向かいあうなかで見いだし彫りだしたフォルムが、原木よりもはるかに大きな存在となることをめざしつつ、制作にのぞんだ。
本展では、木彫作品を中心に、ブロンズ鋳造による作品やリトグラフ、初公開となる資料など40点超により、小畠廣志の仕事を紹介する。年月を経てなお輝きをはなつ廣志の芸術を、ぜひ体感してほしい。

開催情報

ジャンル
美術館

10:00〜19:30、7月31日(水)、8月28日(水)休館

料金

一般300円、中高生100円、小学生以下、65歳以上、障がい者の方は無料

出品作家

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