1941→1945 川上澄生 戦時下の創作 -モノ言ヘバ唇寒シ春風モ- 展
19/7/20(土)~19/9/29(日)
鹿沼市立川上澄生美術館
1930年代、日本は満州事変を機にいわゆる「十五年戦争」へと突入する。その後、日中戦争、太平洋戦争と戦火が拡大していくなかで、川上澄生の周辺では弟2人が出征し、さらに勤務する中学校では同僚の教員や卒業生の出征と戦死の報せが相次ぎ、川上は「不安を紛らわす為に木版を彫ったが、何時もと違って没頭出来ない」と吐露するような日々を送っていた。
戦中の1942(昭和17)年3月、川上は20年続けた教員の職を辞し、「恩給をもとにして自分の絵を売って生活しよう」と覚悟を決める。作品を作るための物資が不足するなか、中学校時代の仲間や唯一無二の親友塚田泰三郎、日本民藝協会の柳宗悦、新潟県柏崎黒船館の吉田正太郎、そしてアオイ書房の志茂太郎の存在が大きな支えとなった。そして『南蠻船記』、『安土の信長』、『御朱印船』、『横濱懐古』、『しんでれら出世繪話』などの珠玉の私刊本を制作し、さらに1944(昭和19)年には豪華本『時計』が完成する。それらの作品は戦争という社会の情勢からは一定の距離を置き、敵機が自宅の上空を飛ぶような状況のもとでも、自らの「驚異と好奇心」の精神性を守り続けたことによって生まれたものだ。
本展は、戦時下の川上の創作活動や、彼を取り巻く人々の動向を追うことで、この激しい時勢と一作家がどのように対峙したのかを紹介するものである。
開催情報
- ジャンル
- 美術館
9:00〜17:00、月曜日(ただし8月12日、9月16日、9月23日は開館)、8月13日(火)、9月17日(火)、9月24日(火)休館
※入館は閉館の30分前まで
料金
一般300円(200円)、高校・大学生200円(100円)、小・中学生100円(50円)
※ ( )内は20名以上の団体料金、東武沿線美術館連携事業割引料金、M割料金
※毎週土曜日は小・中学生無料
※毎月第3日曜日は鹿沼市内の小・中学生と同伴のご家族は無料
※障がい者手帳の交付を受けている方とその介護者1名は無料
※9月1日(日)は洋燈忌(川上澄生の命日)のため無料
出品作家
川上澄生