持参金のない娘

ロシア国民演劇の創始者と仰がれている劇作家Ａ・Ｎ・オストロフスキーの同名戯曲を「ふたりの駅」などで知られるＥ・リャザーノフが映画化した悲劇的な愛の物語。舞台は19世紀後半、ボルガ河畔にある大きな町ブリャヒモフ。そこに住む没落した貴族の娘ラリーサが、持参金なしで彼女を良家に嫁がせようとする母親や、周囲の身勝手な男たちにほんろうされ、やがて悲しい最期を迎えるまでを描いている。ラリーサを演じるのは、本作がデビュー作となるＲ・グゼーエワ。彼女の心をもてあそぶ伊達男には、「黒い瞳」の監督Ｎ・ミハルコフが扮している。