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小島康敬「中今|Berlin」

21/9/4(土)~21/10/2(土)

ユカ・ツルノ・ギャラリー

Berlin, 2021

ベルリンを拠点に写真家として活動する小島は、都市景観として表層に露出する都市の構造や質感を独⾃の視点で撮影している。本展では、写真が示す円環的な「現在」のあり方を再考した、新作を含むモノクロームのベルリンシリーズを展示する。
小島はこれまでに、東京、ニューヨーク、ベルリンの三都市の都市景観を被写体に、都市ごとに注視する場所やアプローチを変えながら、実際に生活し自身の足で歩くことで発見した都市の姿を捉えてきた。小島にとって、写真に表層として現れる都市の特質は、人為的に作り出されながらも、人間の無意識的な意図や欲望を反映しながら生成されたものであり、無意識の断片の集積として記録されている。
東京とニューヨークのシリーズでは建造物や道路といった人工構造物の集合体である都市空間が俯瞰的に撮影されているが、現在拠点とするベルリンを撮影したシリーズでは、目前の建物の外観や街の一角が平面的で静観な画面構成で切り取られている。本シリーズにおける身体的により近くにある景観へのアプローチから小島は、時間の積み重ねによって生み出され変化していく都市の肌理と、未来を志向しながら「いまここ」の瞬間的な現在を留めおく写真が持つ特質とその時間のあり方について再考するようになった。都市を撮影する行為と写真に現れる無意識の集積が喚起する、直線的ではない、あるいは円環的に循環する「いま」という時間性を伴う感覚について、本展に合わせて、小島は以下のように書いている。

最先端の量子理論によると、時間は存在しないという。
過去、現在、未来は同時に存在し、時間は過去から未来に流れるのではなく今しかない。
そして、この世は3次元でなく11次元の多次元構造体なのだそうだ。

古神道(日本古来の神道)には「中今/Naka-ima」という言葉がある。
中今とは、時間的な「今」の意味に加え、空間的中心の要素も持ち合わせる。
時間とは、時の流れの循環で一つの円にあり、終始が同時存在し、無限に円環をする「永遠なる今」なのだという。

どうも私たちが知る時間の流れは一直線ではないようである。
仮に、時間が一瞬で過ぎ去るものでないとすると写真家はこの世界の何を写しているのか?

過去の出来事や未来への執着から解放された意識は、より立体的な今へと向かい、
古くならない過去の記憶を記録し、来たるべき未来に懐かしさを覚えるだろうか。

開催情報

ジャンル
ギャラリー

11:00~18:00、月、日、祝休廊

料金

無料

出品作家

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