サラフィナの声

南アフリカでのアパルトヘイト。それは、自国でありながら、人口のわずか15パーセントを占める白人によって“分離“されてきた南アフリカ国民の屈辱の社会体制である。本編は、そのアパルトヘイトに反対する、ロングランのブロードウェイ・ミュージカル『サラフィナ』の出演者を追ったドキュメンタリーである。キャストはすべて南アフリカの子供たちから選ばれた。誰もがアパルトヘイトによる残虐な抑圧を身近に体験しているのだが、彼らの素顔は明るく、抵抗の歌をコーラスする声は力強い。祖国の惨状を世界に訴える使命感に燃える、若い彼らのエネルギーに引きずり込まれてしまう秀作だ。