サイドウォークストーリー

スパイク・リーと並び、N.Y.ブラック・インディーズを代表するＣ・レイン監督の長編第１作。マンハッタンの一角、都会の喧騒とは無縁なダウンタウン。今日を生きるのに懸命な人々が様々にパフォーマンスを繰り広げているなかに、似顔絵書きの男がいた。偶然に偶然が重なって、彼は母親に捨てられた子供の面倒を見ることになる。そんなある日、金のない彼はベビー用品を失敬しようとある店に入るのだが、そこでかつて似顔絵を描いたことのある美しい女性と再会する。淡い恋に落ちた二人。やがて子供の母親も見つかりハッピーエンドとなるが……。チャップリンの「キッド」を彷彿とさせるストーリーと、モノクロ、サイレントの映像。ホームレスの人々が抱える問題や、弱者に厳しい政策などに対し、声高に叫ぶことなく主張している作品だ。