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ぴあ

いま、最高の一本に出会える

木靴の樹

川崎市アートセンター

「偽りの晩餐」「聖なる酔っぱらいの伝説」のE・オルミの名を世界的に広めた傑作。舞台は19世紀末、北イタリアの農村。小作人として働くバティスティ一家の息子ミネクは弟のために、川のほとりに並ぶポプラの木を一本切って木靴を作った。ところが、そのポプラは地主の所有物。これが原因で、一家は農場を追われてしまう。エピソードを連ねてじっくりと描かれる、貧しい農夫たちの人間模様。ネオ・リアリスモの継承者と呼ばれたオルミの、素朴ながら重厚なタッチが冴える。今にも死にそうな牛の世話をする農夫の祈りが実って、奇跡的に牛が回復するエピソードは感動的。

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