ヴァンダの部屋

ポルトガルの鬼才が見据える消えゆく町に暮らす人々

ポルトガルの俊英P・コスタ監督が手がけた3時間の大長編。再開発工事が盛んに行われるリスボンのスラム街、フォンタイーニャス地区。その一角の小さな部屋で麻薬に溺れ、社会から捨て去られたように生きる女性ヴァンダ・ドゥアルテの日常を描く。ドキュメンタリーやフィクションという枠組みから解き放たれ、美しい光とノイズが錯綜する濃密な映像世界だ。