企画展「大嘗祭」

天皇の代替わりに際して古代から行われる儀式には、主に「践祚（せんそ）」、「即位儀」、そして「大嘗祭」がある。「践祚」とは皇位を承け継ぐことを意味し、古くから皇位を象徴する神器の継承が行われた（現・剣璽等承継の儀）。「即位儀（現・即位礼正殿の儀）」とは皇位の継承を広く天下に公示する儀式だ。
「大嘗祭」は、即位した天皇が、新穀を中心とする神饌（神の食事）を初めて天照大神（天皇の祖先神）に供え、自らも召し上がる祭祀。これは即位儀の後の11月の2度目の卯日に行われてきた。この祭祀は7世紀末の天武・持統天皇の時代に成立し、平安時代には基本的な形式が確立。応仁の乱以降、約220年行われなかったものの、江戸時代中期に再興され、元文3年（1738）桜町天皇からは、現在まで途切れることなく行われている。
本展では、國學院大學所蔵資料のうち、江戸時代のものを中心に、大嘗祭に関わる絵図、古典籍、模型、古文書を展示する。