埼玉150周年記念展 埼玉の美術史 1871-1960
21/6/1(火)~21/6/23(水)
埼玉県立近代美術館
埼玉県は1871年に廃藩置県によって誕生し、2021年に150周年を迎える。その節目を記念して、1871年から1960年までのあいだに埼玉で育まれた美術の歴史をたどる展覧会を開催する。
この展覧会が取り上げる90年間は、明治初期から関東大震災や第二次世界大戦を経て高度経済成長期にいたるまで、社会が大きく変化した時代であった。ここ埼玉の美術に目を向けると、西洋絵画の流入にはじまり、明治・大正期の洋画家の留学や埼玉県初の洋画団体「坂東洋画会」の結成、雑誌の挿絵や漫画、書籍の装幀など出版文化における美術家の活躍、関東大震災後に東京から浦和へ移り住んだ画家たちによる「浦和アトリエ村」、戦中戦後の混乱を経て開催された埼玉県美術展覧会、そして戦後の新しい展開へと、社会状況や美術の大きな流れに影響を受けながら、さまざまな表現が生まれ、美術家たちのネットワークが築かれた。こうした一連の動向は、東京に隣接しつつ穏やかな自然と静かな制作環境に恵まれた埼玉の風土とも深く結びついていく。
この展覧会は、埼玉県立近代美術館のコレクションを中心に埼玉県内の各機関が所蔵する作品資料を通じて、90年間にわたる地域の美術の歴史をひもとき、その魅力に改めて光をあてる試みである。