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森下大輔「Dance with Blanks」

21/4/16(金)~21/6/5(土)

PGI

©Daisuke Morishita

PGIでは初めてとなる、森下大輔の個展を開催する。
森下は、「存在」や「関係性」を核となるテーマにしている。事象を見つめ、シャッターを切り、暗室でプリントを制作、印画紙の上に二次元の視覚表現として立ち上がらせる、という変哲のない写真行為の繰り返しのなかで、写真を通して世界の原質に触れようとし、その直接性を追求し続けている。
2021年1月には第19回千葉市芸術文化新人賞奨励賞を受賞。今後の活躍が期待される写真家だ。
自身と他者の関係性の中で、自らの内にある「空白」を意識するようになったという作者。当初は空虚や虚妄のようなネガティブなイメージを抱いていたが、それらが徐々に変化し、作品を制作する上で欠かせない要素と感じるようになったと言う。
「Dance with Blanks」では遠景と、近景の構図が並ぶ。遠景のランドスケープは、視線を誘うビル群や木々が却って、空や、建物の狭間などの空白を際立たせている。肉体と場面との距離が、そのまま世界への精神的な距離のように見え、見つめる人の存在を思わせる。翻って、視線をそのまま切り取ったかのような近景は、時に荒々しさも持って眼前に迫る。瞬時には状況を把握し難いそれらのイメージでは、モノクロ作品のシャドウ部分とハイライト部分が絶妙な効果を成し、画面は被写体で埋まっているものの、まるで空白が存在するような印象を与える。それは、見る人を迷わせ、「空白」の中に置き去るかのようだ。
本展のタイトル「Dance with Blanks」にあるBlank(空白)は、仏教における「空(くう)」という概念に通じるものがある。全ては運動の中にあるという「空」の考え方は、「存在」そのものをテーマに据える森下にとって深く感得できるものだった。写真家として、空白とともにありながら、印画紙の上に新たな空間を創造していきたい、と語っている。
本展では、ゼラチンシルバープリント作品約30点を展示する。

開催情報

ジャンル
ギャラリー

11:00~18:00、日・祝日、4月29日(木・祝)〜5月5日(水・祝)休廊

料金

無料

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