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【当面の間休館】「石鹸・化粧品の近現代史」(第4展示室)

19/12/3(火)~20/5/6(水)

国立歴史民俗博物館

化粧や衛生の流行は、衣服ほど短期間で変化するものではない。しかし、10~20年の単位で振り返ると、大きく変化していて、日常生活の常識観に少なからぬ影響を与えていることがみえてくる。
明治時代に入ってから化粧品の工業製品化が進んでいったが、商品の中心はスキンケア商品、石鹸、歯磨、香油だった。また、早くから欧米風の化粧法が紹介されていたが、洋装に対する抵抗感から、とくに口紅やアイシャドウのような口や目を際立たせる商品は、1930年頃まで普及しなかった。1930~35年あたりにメイクが流行り、一時的に化粧品の生産量が増えたものの、それ以降は原料不足のために生産自体が政府の統制におかれ、戦後にその統制は少しずつ解除されていったが、長らく贅沢品として、日常的に使える状況ではない時代が続いた。
化粧品業界が本格的に復興したのは、高額だった物品税が下げられ、口紅のキャンペーンが始まった1960年代中頃以降のこと。そして、1980年代に機能性を重視した商品が次々と開発され、1990年代にはメイク専門雑誌が刊行されるに至るまで、化粧品が一般に普及していった。
石鹸やシャンプーにおいても、弱酸性の髪を傷めにくいシャンプーが家庭に普及した歴史は案外浅く、2000年代に入ってからのことで、1987年以降に「朝シャン」という言葉が流行し、髪の毛を毎日洗う習慣となった。もともと石鹸やシャンプーはアルカリ性であり、肌や髪を傷めやすいものだった。その上、第二次世界大戦が始まると、物資不足のために品質が低下して顔用の石鹸が製造できなくなり、浴用石鹸や洗濯石鹸も高額の物品税が課せられて、売り上げが低迷した。1950年代後半には中性のシャンプーが開発され、各家庭に内風呂が普及すると、石鹸は洗いすぎない液体タイプに変わり、シャンプーはツヤを残すものが開発された。
本展示では日本の美容観や衛生観に影響を与えてきた石鹸と化粧品の歴史を商品と広告類を使って紹介。2016年秋の企画展示「身体をめぐる商品史」では、明治時代~平成時代初めの化粧品類を紹介したが、今回はより古い時代に重点をおき、さらに、幅広い企業の資料を展示する。

開催情報

ジャンル
美術館

9:30〜16:30、月曜日(休日の場合は開館し、翌日休館。ただし3月30日は開館)、年末年始(12月27日~1月4日)休館

※3月からは17:00まで
※入館は閉館の30分前まで

料金

一般600(350)円、大学生250(200)円、高校生以下無料

※障がい者手帳等保持者は手帳提示により、介護者と共に入館無料です。
※高校生及び大学生の方は、学生証等を提示してください。
※半券の提示で、当日に限りくらしの植物苑にご入場できます。
※料金が変更になる場合があります。

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