特別展「近代の皇室と茶の湯」
20/10/3(土)~20/11/23(月)
遠山記念館
久世久宝「色絵金彩桐竹唐草文天目(秋泉御茶室用)」昭和5年、個人蔵
このたび遠山記念館では、特別展「近代の皇室と茶の湯」を開催する。大正天皇の皇后である貞明皇后は、皇室を近代的に刷新した開明的な人物として知られている。その貞明皇后が、退位した後に住まわれた大宮御所(青山御所とも)に「秋泉御茶室」(三代木津宗詮設計)を構え、茶道の稽古をしていたことはあまり知られていない。この茶室には各茶道家元から献上された特別な茶道具の一式があったが、これらは昭和20年5月の空襲で大宮御所と共に焼けてしまい、現存していない。しかし献上品と共に作られた同工の作品は、「控え」などと呼ばれて家元などに保存されている場合がある。本展では、こうした控えなどから献上された茶道具を紹介するとともに、茶道具という古典を重んじる造形が、近代においてどのように展開したのかを考えてみたいと思う。